せつぶん2022

「節分最高」

掛軸にして飾りたいほど機嫌の良い言葉。
改めてそう思う節分の夕方。

どうでもいい季節のイベントランキング殿堂入りであろう節分が超すきだ。ハロウィンの5000倍すき。といっても一昨年まではあまり意識しておらず、きっかけはいつも髪を切ってくれるお姉さんとの会話からだった。

「いや、なんかうまくいってないんすよね~。何がって訳ではないんですけどしっくりきてない感じなんで何となく来ました~。なんか変えたくて。あ、6㎜でよいですね~、じゃあコレで。」

ボサボサの髪のまま座って、カッコよくしてくださいって伝えて、最近どんなかんじで生きてるかと同時進行で準備をして刈り上げの長さを決めて即刈られる。

3㎜までいくと地肌感が出過ぎる&寒いので6㎜で毎回お願いしてる。お願いするときに毎回まだ残っている冒険心が顔を覗かせて、6㎜の次って何㎜ぐらいがいけましたっけ?と聞いてみるが結局6㎜。アタッチメントを1㎜ずつ調整できるバリカンがここのお店に無いことを知っていて6㎜の下は何㎜刻みで3㎜まで辿り着くのかを毎回忘れる。毎度毎度答えを教えてもらって一旦6㎜で様子を見ることにするが、結局これでいいかとなって6㎜。さっきの変えたくてはとうに消えてる。

いまだに何㎜刻みなのか思い出せない。
「毎回守りに入るんやからいちいち聞くなや、ボケ!」とお姉さんにつっこまれたらぐうの音も出ない。こわい。

6㎜に刈られていた一昨年のある日のこと。
「クリスマスは?正月は?」の問いに
「あー、なんもしてねぇすね。」と答えた。
「イベントは大事にしないといけないよ~?あれは?節分は?」の声に思考が止まった。

節分???????となってると、
「節分は大事」という話を5ツイートぐらいの文字数で教えてくれた。

そういうことか~
どういうことだ?
どうもこうもないのさ

とわかったようで、聞き流したのか、意味があったのかは全く覚えてないが、何となく合点がいったことだけ覚えてる。本当はその日の炭と塩と風呂の話まで覚えてるけどまぁ。


この日から「節分は大事」の意識が芽生えた。とりあえずその年の節分は恵方巻きを買って食った。

かなり節分感がして溢れだすパワーに笑ってしまった。節分最高はこの頃から。

去年は日を跨いだ仕事のせいで1日遅れでどうしようもない恵方巻きをラジオ聴きながら頬張った。1日遅れのせいで1年通してあまり良くなかったと思う。

私は関西の生まれなので小さい頃から恵方巻きを食べる習慣があった。どこかの方角を一点に見つめながら恵方巻きを黙って頬張る行為は楽しいことも知ってる。

瞳孔開きぎみで南南西を見てたら北北東から変顔でわらかそうとしてくる弟が現れてグーで殴る行事(逆も然り)で、オカンに怒られながら腹一杯になる何とも微笑ましい記憶。

そういう、そういう事も胃袋にブチ込む大事さを一昨年になってようやく理解したので節分最高なのである。

だから、みんなも節分だいじにしろよな。

いまから恵方巻きを買いに行こう。
新品のパーカーにも袖を通した。

このパーカーを11月頃に注文して12月に支払って1月に届いたのに2月まで着なかったこと、それで思い出した律儀にまだ着てないねこのTシャツ、この前聞いた地元のマルナカがダイエーになっててかなしくなったあの気持ち、なんやねんクソがという怒りにまみれた独り言、文字にして置いておきたいという気持ちを乗せて綴る節分のリズム。

こういうことも胃袋にブチこみたい。

ということで恵方巻きを買いにいきたいと思います。完璧にたかまりました。

いまこそ節分。えぶりでい節分。
節分最高。

タナカフクロウ。






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