それから少しずつ楽しい時間が増えた。
なるほど。これが皆の言うアレか。
月曜日から聴こえてきたハムスターのカゴ。
いろんな曜日から聴こえてきた呼吸もなんとなくわかってきた。たのしい。
平和だ。なるほどな。
………が、なんかスゴい勢いで飽きてきた。
なんだこれ、なんだよコレ。
あつ森飽きてきたぞ!
どうぶつの森の中でやりたいことがない!
皆みたいにいろんなもの作ってさ!
飾ったりして!遊びたいけど!
なんだこれ!なんだ?
……そこで思い出した。
オレはあんまり欲がないんだった。
ゲームの中で部屋を大きくしたり出来る。
が、「天井さえあれば住める」と言う俺。
ゲームの中でいろんな服を着れる。
「ひょろっとしてるから大概のモノは似合うしな」と言う俺。
ゲームの中でいろんな動物と仲良くなれる。
「ひとりでいたい」という俺。
ゲームの中でチャレンジが出来る。
「めんどくせぇ」という俺。
そうか、どうでもいいのか。
肉体などただのスーツ。魂は俺だ。
ゲームの中でも同じ。
やばいぞ、コレはヤバイ森の中に入ってしまった。迷いの森だ。前回、オレが生やした芽に気づかなかった。摘んどけばよかった。
…というか実際のオレの欲望は何だ?
任天堂を通して考えることか、コレは?
ヤバイぞ、情緒不安定になりそうだ。
オレはいま何がしたいんだ?
このエグい速度で成長する芽は、木になり、林になり、鬱蒼とした森になった結果、完全に迷子になってしまった。迷いの森の芽だったのか。このゲーム欲しいと思うんじゃなかった。ヤバい。自粛どころではない。
そんなことを考えていると、
鬼滅の刃が全然入ってこない。
その証拠に
「アレ、この敵どうやって倒したっけ?」
と、ながら見の弊害が発生し、結果的に同じ敵をもう6回倒してる。歯軋りうるさい人。
全然入ってこないのだ。
やばいやばいやばい。
しかも、Switchの決定的な欠点も発見してしまった。これは恐ろしいことなのだが、
画面の中におじさんが現れるのだ。
楽しいゲーム空間、ロード画面、真っ暗、
おじさん、ひげの生えたおじさん、
楽しいゲーム空間、ロード画面、真っ暗、
おじさん、ひげの生えたおじさん。
虚ろな目、開いた口、やる気と生産性のないただ暇を潰してる面白くないおじさん。
私だ。
ふとした瞬間に、私が画面に映るのだ。
やばいやばいやばいやばい。
なにをやってるんだ。
老けた顔したおじさんがSwitchやってるぞ。
俺か。私か。そうか。しにてぇな。
こうして欲の無さと老化を再確認してたら
情緒不安定のスイッチが入った。
SwitchってそのSwitchなん?嘘だろ?
つづく。
タナカフクロウの巣
タナカフクロウの巣です。
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